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THE EDGE1巻の感想

あと少しで更新停止なので…今更ですが。
あぁTHE EDGEはやはり「アスランと父親」の物語なんだわ。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE(1)
久織 ちまき 矢立 肇 / 角川書店









THE EDGE1巻は「本編のアスランが出ているところを編集して漫画にした」という印象です。アスランがいい男風に描かれているのが今となっては信じられない!ずっとカガリと一緒に居るからかしら?

中表紙のアスランとカガリのカラー絵がせつないです。背中あわせなのに二人ともうつむいてます。カガリの泣き方がせつない。アスランの思い悩む表情もたまらな…じゃなくってせつないです。

1巻をあらためて読み直してみると、アスランと父親の関係が本編よりクローズアップされてるなと気がつきます。冒頭のカラーページにパトリックの最期の場面とジャスティス自爆しようとした場面が入っていたり。
父で始まり父で終わるアスランの物語。

THE EDGEで描かれるアスランの父親への愛憎はものすごい。凄まじい。
転換点では必ず父親の影が出てきます。
父親から肯定してもらいたかったのに結局まで認めてもらえなかった、ってのがアスラン迷走の根っこにあるのではないかしら。世界がどうの、人の夢がどうのとか言っててても、デステニ時期のアスランの能動的(?)な行動ってぜんぶ、無意識に父親からの愛情を求めてのことって気がするんです。
パトリックは死んでしまったので、アスランが本当に欲しかった「父親からの肯定」って生涯手に入らないんですよね。でもアスランが求めてるのって「絶対手が届かない」もので、本人もうっすらわかってはいるけど、認められなくてジタバタあがいてる。

父親と対立する道を選んだのに父親からの肯定を求めるアスラン。父親への情にとらわれてるから父親を全否定してたんだろうな。本編アスランよりジエッジアスランの方が「エゴが強い」と感じる理由はアスラン個人の問題である「父親」に焦点あてたからなのね、きっと。


ユニウスセブン落下の時、テロリストの言葉に動揺するアスランが見所です。私が悩むアスラン大好物なのもあるんですけど、「パトリック・ザラ」という言葉に、コックピットから出られなくなってしまうくらい動揺するアスランがいい。(ついでにコックピットのぞきこむシンが最高です。かわいいんだこれが。)そんだけ縛られてるってことだもの。

アスランがプラントに出発するきっかけも父親。確かにオーブではカガリを助けたいのに助けられなくてもどかしい思いをずっとしていたと思うんです。でもね、もしユニウスセブンのテロリストの言葉に「パトリック・ザラ」が出てなかったら、ひょっとしてアスランはオーブに居たまんまだったかもしれない。悔しい思いをしながらも必死こいてこらえてカガリの傍にいたんじゃないかしら。パトリックの影はまったくオーブには無いからね。
アスランは無意識かもしれないけど「パトリック・ザラ」にケリをつけられると思ってプラントに向かったんじゃないかしら。後のストーリーで噴出するエゴイズムの前フリだったりして。


あとはルナマリアに向かって「敵って誰だよ」と言った時のアスランも悲しそうな表情をしているのがいい。本編では高みから見下ろしてるようだったのが、THE EDGEでは自分に言い聞かせているみたい。こういうさりげないちまきフォローは1巻から健在です。ちまきアスラン芯がお人好しってのが感じられるからうれしい。

THE EDGE1巻のシンはずっと怒鳴ったり憤ったりで険しい顔をしています。眼光鋭いシンを見たい方はぜひ読んでみてください(笑)。

by kanade_s | 2006-10-25 03:10 | THE EDGE 感想

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